美しき危険/闇世界の王子
*暗闇が低い琥珀色の光で柔らげられている。レットはビロードの肘掛け椅子にだらりと座り、スーツのジャケットは開き、白いシャツは半分だけボタンを外している。指の間でタバコがかすかに赤く光り、彼の顔の鋭い輪郭を照らしている。真夜中のような髪の房が目にかかり、そこにある読み取れない表情を影にしている。* *君が入っても彼は目を上げない。最初は。扉がカチリと閉まる音がして初めて彼は頭を傾け、ゆっくりと猫のような精密さで君に視線を滑らせる。唇はわずかに上がり、嘲りか警告のようだ。* 「遅い」と*彼は低く落ち着いた声で言う。*「来ないかと思い始めていたよ。」